雨の尾瀬に魅せられて
こんにちは。
探検日和管理人の静岡県産のおちゃ(@ocha_shizuoka)です。
先日インスタにも投稿しましたが、尾瀬に行ってきました。
今回はその様子を振り返ります。
雨予報、どうする!?
今回の尾瀬旅は友人とのふたり旅ということ、また利用予定の高速バス尾瀬号の予約がすぐに埋まってしまうことから、随分前から計画と予約をしていました。
計画当初は曇り予報だったのですが、数日前からまさかの雨予報に……。しかも台風2号が接近中とのことで、東京は相当荒れる予報でした。
安全第一はアウトドアの原則。どうするか出発当日まで悩み抜いた末、尾瀬は東京ほど天気が荒れない予報だったこともあり、余裕を持ったスケジュールと雨用の装備で挑むことにしました。
人の流れに逆行して夜の新宿を歩いて向かうのはバスタ新宿。22:00に出発するバスに揺られ、尾瀬へと向かいます。
こんな天気に尾瀬に向かうのは私たちだけなのではないかと少し心配でしたが、意外としっかり乗客がいました。
ちなみにバス車内にはトイレとコンセントがあり、サービスエリアでのトイレ休憩も何度か挟みます。
帰りはサービスエリアでお土産を買うのもおすすめです。
夜行バスに揺られて到着
夜行バスに揺られ、気づけば3時半、大清水に到着です。
到着時は真っ暗でしたが、トイレや支度を済ませているうちにあたりはほの明るくなってきます。
しばらく幅も広く凹凸もない歩きやすい道を歩き、一ノ瀬バス停でささっと朝食を取ります。
幻想的な雨の尾瀬に魅せられて
7:48、三平峠へ入ります。ここからは傾斜も強くなり、グッと登山道っぽさが増していきます。
そういえば尾瀬の山では聞きなれないカエルの鳴き声がしたのですが、なんというカエルなのでしょうか?ご存知の方がいらっしゃればぜひ教えてください。
しとしとと雨は降り続くものの、木々が雨を受け止めてくれるためそこまで気になりません。
川のせせらぎを聞きながら歩みを進めること数十分、ふと後ろを振り返ると歩いてきた道に霧が溜まり、雲海のような景色に。
1日目後半:悪天候との戦い
9:32、池尻休憩所に到着です。
休憩所の軒下で雨宿りをさせてもらいつつ、友人持参のお菓子とランチパックに食らいつきます。朝ごはん?昼ごはん?おやつ??と言いながら食べたランチパック。間違いなく人生で一番美味しい。
おやつ休憩もそこそこに、尾瀬沼を回ります。
本当はビジターセンターに立ち寄りたかったのですが、天気が崩れる予報なので最短ルートを選択しました。
この辺りからだいぶ雨も本降りになった上、足元もあまり良くありません。
池尻休憩所からは雨宿りポイントもなく、ひたすら見晴を目指します。
天気もどんどん悪くなり、つく気配もなく、疲れも溜まってちょっとブルーになる私。
それとは対照的に「遙かな尾瀬〜」と口ずさみながら歩みを進める友人。いつでも笑顔で自分の機嫌を取れるところは本当に心の底から尊敬します。この旅を通してまたあなたのこと好きになっちゃうよって感じ!
途中の斜面は水が流れに流れ、道だったのか、元から沢なのかもわかりません。
この辺りからザックカバーは限界でザック浸水、レインウェアも徐々に限界を迎えつつあり肌がしっとり、帽子はびしょびしょ、ビニール袋で包んでレインウェアの内側に入れていたカメラも結露で濡れ気味と、ダイブ散々な見た目になってきます。
友人の靴が水没、続いて私の靴も水没。なんならもう濡れるのも気にせず、綺麗な水を見つけたら自ら靴を洗いに突っ込む始末です。
足元も悪く、泥で滑りかけたり、木道で滑りかけたり……。
実はこれまでストックを持っていなかったのですが、今回の旅に合わせて購入した安いトレッキングポールを持参していました。そしてこれが大正解!
今回の旅の持ってきてよかったものランキングを作るなら、間違いなくこいつが一位です。
尾瀬に行く方、特に尾瀬沼方面に行く方はトレッキングポールの用意を強くお勧めいたします。
時々すれ違う登山者の方に「あとどれくらいで見晴ですか?」って聞きたいような、でも怖くて聞きたくないような……。
どっちみち引き返すのも大変なので進むしかありません。
見晴キャンプ場:最高の山小屋ご飯
まだつかない、いつつくんだ、てかほんとに着く?道流石にあってるよね??と言いつつも、見晴へ向かう私たちのモチベーションは尾瀬小屋のステーキ丼。
尾瀬は水が豊富なため山小屋料理が美味しいことで有名ですが、中でも尾瀬小屋さんは料理に力を入れていることで有名です。
事前にTwitterで調べて見つけた「トリュフ香るステーキ丼」なる山とは思えない豪華なご飯を食すため、私たちは意地でも見晴に向かわなければならぬ!!!!
「ステーキ丼!ステーキ丼!」と斬新な掛け声とともに歩いていると、急に視界が開けたくさんの山小屋が眼下に。
ついに見晴地区に到着です!
私たちはテントで一泊する予定なので、急いで燧小屋で受付を済ませ、雨が少しでもマシなうちにテントを貼ります。
100貼前後の大規模な予約不要のテント場である見晴キャンプ場ですが、普段はそれでもテントの貼り場所がないほど混み合う様子。
しかし、悪天候の平日ということもあり、まさかの貸切です。
とりあえずテントを貼り、体を拭いて少し落ち着きます。
すると歩いている最中は暑くて仕方がなかったのに、急に凍えるほど寒い。
とにかく食べて元気を出さねばと、尾瀬小屋に向かいます。
尾瀬小屋の中はすでに先客でいっぱい。
スタッフのかたが暖かく迎えてくださり、小屋内はストーブも焚かれており、身も心もほっこりします。
今回はステーキ丼(¥1800)と鹿肉のボロネーゼ(¥1600)を注文してシェアすることに。
ボリュームたっぷりで何より美味しい!
いい意味で山ご飯とは思えない味です。多分山バイアスなくても美味しい。値段もそこまで高くありません。
ボロネーゼは鹿肉の臭みもなく、もちろんお皿に残ったソースはバゲットにつけていただきます。
そしてステーキ丼はもう全てがおいしすぎてどうしたらいいかわからない。上に乗ってるカリカリオニオンも美味しい。そして何気にこれが私のトリュフデビュー戦です。
山小屋の方と歩荷さんに感謝しつつ平らげます。
小屋内には手拭いなどの可愛いオリジナルグッズの販売もありました。
また、今回は利用しませんでしたが、日帰り入浴も営業していてテント泊の方も利用可能だそうです。
お昼ご飯を食べ、他の登山客の方とのおしゃべりを楽しんだらテントへと戻ります。
一瞬晴れ間があったので近くに写真を取りに行きましたが、とにかくのんびりと早寝することにしました。
……っとその前に。
軽さを犠牲にしてでも持ってきた大量の美味しいものたちでささやかなパーティを行います!
幸い尾瀬は電波が通るので、YouTubeなんて見ちゃったりしながら、持ってきたお菓子と、寒くなってきたので焼いたお餅とパウチのこしあんでお汁粉をいただきます。
歩くか食べるかしかしてない。
そしてそのまま夕飯に突入。
寒さを予想して、夕飯はお鍋を用意していました。
切って下茹でして冷凍しておいた野菜とソーセージ、小分けの豆乳鍋の元で山でも野菜をたっぷり食べられるお鍋を作ります。
疲れて冷え切った体に、暖かくて豆乳のまろやかな甘味のするお鍋が染み渡ります。
もちろん下半身はシュラフに突っ込んだままです。
しめはご飯とチーズを追加して胡椒で味を整えたリゾット風。
これがめっちゃ美味しかった!!!!
寒い時期の山ご飯に、お鍋、おすすめです。
色々と諦めた二日目
お鍋を食べて9時前には就寝した1日目。
薄手のシュラフということもあり寒くて心配でしたが、ペットボトルにお湯を入れた簡易湯たんぽと共に眠りについたら朝までぐっすりでした。
朝はカッコウの鳴き声と共に起床します。
実は私、今回が初めての泊まりでの登山だったのですが、山の朝の素晴らしさを身をもって体感しました。
ピンと張り詰めたかのような空気。
心地よい肌寒さ。
ずっと先の葉の擦れる音さえ聞こえそうな静寂。
早起きは三文の徳と言いますが、三文どころじゃ絶対に足りない、そんな素晴らしさです。
山の朝を存分に満喫しつつ、朝食作りと片付けに取り掛かります。
今日は朝からガッツリハンバーガー。
イングリッシュマフィンを半分にわって炙り、スライスチーズ、カット野菜、パウチのハンバーグを挟んで完成です!
スーパーで一番安いハンバーグも、山で友達と食べればご馳走に早変わり。
ハンバーグを湯煎したお湯は残りの野菜と共にコンソメスープになりました。
幸い雨は止んでいたものの、1日目に濡れた服や靴、つまり全ての持ち物は全く乾く気配がなく……。
当初は近くの滝を訪れてから帰る予定だったのですが、そのまま鳩待峠を目指すことに。
その代わりビジターセンターに寄り道します。
尾瀬ヶ原方面はずっと木道でとても歩きやすかったです。
途中から太陽も顔を出し、暑さを感じるほど。着ていた洋服もすっかり乾きました。
太陽ってやっぱり偉大。
尾瀬っぽい写真を撮りつつ向かったのはビジターセンター。
剥製などと共に尾瀬の生態系や環境保護の取り組みについて学ぶことができます。
私の出身、静岡県は伊豆半島には熊がいません。そのため今回の旅も熊にビビりまくっていました。
ビジターセンターでももちろん熊について紹介している箇所があるのですが、そこに「大きいものでは150cm」「時速60kmで走る」という記述と併せて「熊は水芭蕉の実が大好き。熊のフンで水芭蕉は広がります」とあり、戦々恐々。
つまり私たちがキレイキレイと愛でながら歩いてきたあの一面水芭蕉のお花畑は……!
さらに熊にビビりながら帰途につきました。
下山後も楽しみいっぱい!
最後も少し傾斜のある山道を登り終えると、ついに登山口へ!
付近のガイドさんが写真を撮ってくださり、ほっと一息荷物を下ろしつつ、名物の花豆ソフトにかじりつきます。
花豆をあまり聞いたことがなかったのですが、食べてみるとあんこに似た優しい甘さのソフトクリーム。私はとっても気に入りました。
鳩待峠には売店や食堂があります。
まだ時間も早いので、とりあえず売店を物色。
名物の花豆や日本酒、よくあるお土産のクッキーや、ちょっとしたアウトドア用品などがありました。
私は母に日本酒、祖父に花豆を煮たものと花豆の甘納豆を購入。
鳩待峠には投函すると尾瀬のスタンプがつくポストがあり、友人は絵葉書と切手を購入して投函していました。
皆様も大切な人へお手紙を送ってみてはいかがでしょう?
少し早いですがお腹も空いたので、食堂でご飯をいただくことに。
稲荷寿司やコロッケなどの軽食から、お蕎麦やカレー、スタミナ丼、牛丼などガッツリ系まで、バラエティー豊かなラインナップです。
登山後の体に染みる、どこか懐かしいほっとする美味しさでした。
少し早いですがシャトルバスで麓まで降り、高速バスの時間まで暇潰しをすることにします。
私たちは利用しませんでしたが、麓には日帰り温泉施設もあり、登山後の入浴も可能です。
温泉施設にはビジターセンターのようなものも併設されており、尾瀬の環境保護の歴史を学べます。
かつてはゴミ箱を設置していたそうですが、登山客が殺到したことでゴミ箱からゴミが溢れ、現在の自分のゴミは自分で持ち帰るスタイルになったそうです。
美しい尾瀬を堪能した後だと、環境保護への意識がより一層高まります。
ちなみに気になった点が一つ。
温泉施設の玄関に、地元の子どもたちの名前と手形がセットで飾られていました。
個人情報保護の観点的にどうなんだい!?と思ったため、写真は載せないでおきますが、数名を除き、そこにある子どもたちの苗字がほぼ全て「萩原」でした。
あまりの萩原率に動揺が隠せません。
何度だって行きたい、はるかな尾瀬
そんなこんなで無事帰ってきました。
天候が良くなかったため、よく写真で見るような尾瀬の景色は見ることができませんでしたが、雨ならではの幻想的な風景を楽しむことができました。
正直美化しすぎでは?と思っていたのですが、訪れてみてびっくり。本当にあの曲に負けず劣らず美しい場所です。
友人は何度も「人生観変わった」といっていましたが、これが現代日本の風景とは、こんなにも美しい場所がまだこの世に残っているとは、にわかには信じられないような美しさです。
特に尾瀬ヶ原周辺ならほとんど木道が整備されていて歩きやすいのも嬉しいポイント。
「登山」というよりは「高原ハイキング」といったところでしょうか。子どもたちも多くいました。
一方ですぐ近くには至仏山や燧ヶ岳といった本格登山が楽しめる百名山があるのも尾瀬の魅力。季節ごとに違う美しい花々も咲き乱れ、違った表情も楽しめそうです。
歩いている最中から「次はいつ来ようか」と話してしまうくらい、魅力溢れる尾瀬。
ぜひ次は違う季節、違うルートで、何より天気がいい時に!また訪れたいです。
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